声優業界のサイクル、現在飽和した「新人声優」と「中堅声優」

毎クール、新作アニメと共に「期待の新人声優」が誕生する。

1クールに1,2本は「新人声優枠」と言われる「新人声優」のみを起用したアニメが存在する。


これはアニメ「けいおん!」頃から始まった、

アニメとともに新人声優を発掘するアニメ枠である。


「けいおん!」放送開始当初は、メインキャストの豊崎愛生や竹達彩奈は新人声優であったが、これをきっかけに人気声優の仲間入りをすることになる。

同様に「ゆるゆり」のごらく部メンバーも当初出始めであったが、

一気に人気声優として声優業界に誕生することとなる。


3,4年前までは、このサイクルが1年に1回程度のものだったが、

現在は毎クール、3ヶ月に1度起こる。

次々と「期待の新人声優」が誕生し、去年まで「新人声優」であった声優たちは、

次の配役をつなげてすぐに「中堅声優」にならなければならない。


しかし、アニメの放送枠は限られており、

キャストの優先順位は「売れている若手声優」「人気のベテラン声優」「安定の中堅声優」そして「期待の新人声優」だ。

では、「去年まで期待の新人声優」だった声優たちはどうなるのか。


一時期「期待の新人声優」と騒がれていたが、ここ最近めっきりみなくなった「元・新人声優」。アニメの出演が久々にあっても、6話に1回出る程度のチョイ役。

下手すれば自分より後輩の「期待の新人声優」のバーター出演だ。


「新人声優」のサイクルが早くなったことにより、

「中堅声優」に上がり切る前に行き場を失ってしまう声優が増加している。

そんな声優たちは「キャラクターが豊富なソーシャルゲーム」に流れていくしか無い。


アニメのヒロイン級(Wikipediaで黒字表記される配役)の数は限られている。

さらに、その役を定期的に取り続け、自分の存在感を主張していかなければならない。


若手の台頭、そしてベテランが前線から退かない声優業界。

中堅声優として生き残るには大変厳しい時代となっている。

THE FUTURE Of CONTENTS

サブカルチャーからメインカルチャーへ。 アニメ、マンガ、ゲーム、声優、オタク・・・etc 業界の片隅でものを書く著者の業界裏話から業界のこの先を綴ります。

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