アニメに見る、サブカルチャーの一般化はいつだったのか

普段は業界内の物書きとして活動している著者が、他所では書けないような偏見を交えた文章を書きたくて立ち上げた本サイト。


まずはアニメという文化が現在に至るまで、ここまで一般化するまでに至った経緯をあくまで独善的な目線で書き起こしてみようと思う。


そもそもアニメがここまで一般化し(一般化の定義は割愛する。ここでは「アニメの一般化」については議論しない。)一般人がアニメを見る時代になったのはいつなのか。


著者が考える起点は「新世紀エヴァンゲリオン」である。

学生時代、アニメなど興味もない今で言う「リア充」達が「エヴァ」という単語を知っている。翌日の学校で、「昨日のバカ殿見た?」と言うかの如く「昨日のエヴァ見た?」などという会話が繰り広げられていたのだ。


「新世紀エヴァンゲリオン」が今で言う「深夜アニメ」の革新的存在であり、アニメという文化を一気に引き上げた作品であるのは言うまでもない。

「エヴァ」がどうすごいのか、などという話は当時から様々な書籍が発行されているので割愛する。

なぜあそこまで「流行った」のかを簡単に説明しようとするならば、「スタイリッシュ」であり、「ちょっとエロ」かったからではないだろうか。

「スタイリッシュ」というのは映像もさることながら、作品のテーマやメカデザイン、音楽に至るすべての要素を含む。

「ちょっとエロ」に関しては深夜帯のアニメであったことが功を奏した感がある。登場人物の「葛城ミサト」や「綾波レイ」「惣流・アスカ・ラングレー」のお色気シーンが多分に存在した。

深夜帯の、まるで「トゥナイト2」を見ているようなドキドキ感もあり、「アニメだからセーフ」などという不思議な自己肯定も存在したのではないか。


実はこのタイミングで「同人誌」たるものもフィーチャーされ始めていた。

上述した「ちょっとエロ」から「もっとエロ」を求める先に、「コミックマーケット」の存在に気づき始めるものが出てくる。そこには「エヴァ」の「エロ同人誌」が存在するのだ。


なぜこの時代に「新世紀エヴァンゲリオン」の一大ブーム、そしてサブカルチャーもといアンダーグラウンドであった「同人誌」や「コミックマーケット」の存在が巷に浮上したのか。

それは「インターネット」の普及が大きく起因していると考える。

今までは欲する人間がそこに出向く、つまりオタクが秋葉原に出向かなければ出会えなかった、つまり知らない人間は一生接触することがなかったコンテンツに、インターネットという全世界からの情報で一般の目に触れることとなったのだ。


Windows95によるパーソナルコンピュータの普及、さらにドリームキャストによるインターネット接続。テレホーダイによるテレホタイムなど、インターネットが一般化し、元祖マカーたちを差し置いてネット通信が普及し始めた。

これにより今まで地中深くに存在していたサブカルチャーがパンドラの箱のように一気に世界中に溢れだしたのだ。


「新世紀エヴァンゲリオン」がもたらしたものは他にも数多くある。

「残酷な天使のテーゼ」が今もなおカラオケランキング上位に君臨することが象徴する、「アニソン」の普及。

「緒方恵美」「宮村優子」などの声優の顕在化。


今まで一般人が知らなかった「深夜アニメ」「アニソン」「声優」などをメディアが書き立てる。「アニメを知らないのか」「こんなオシャレなものを」「エヴァを知らないなど流行りに遅れている」


こうして空前の「エヴァブーム」によって今までアンダーグラウンドに隠されていた「サブカルチャー」が陽の目を見ることとなる。


ここから現在の「深夜アニメ1クール50本時代」までに色々な出来事があるが、それは追々。

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サブカルチャーからメインカルチャーへ。 アニメ、マンガ、ゲーム、声優、オタク・・・etc 業界の片隅でものを書く著者の業界裏話から業界のこの先を綴ります。

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