声優ブーム、火付け役は誰?そしてこの先は?

現在このアニメ関連業界で働くもの、さらには映像業界で働く人間なら気づいているとは思う「声優ブーム」。

少し前までのブームよりもさらに加熱した「アイドル声優ブーム」が加速している。


そもそも声優がここまで認知され始めたのはいつなのか。

別記事でも書いているが「新世紀エヴァンゲリオン」の社会現象により「緒方恵美」「宮村優子」の名前が表に出たよりも後、現在の声優ブームのきっかけとなったのは「平野綾」ではないだろうか。

(水樹奈々は声優としては別枠と考え、ここでの考察にはあえて含まない。)


2006年放送「涼宮ハルヒの憂鬱」の人気とともに、「顔出ししても十分可愛い声優」として一躍話題となった。

もちろん2004年放送「魔法少女リリカルなのは」での「水樹奈々」の存在は特筆するものがある、しかし一般人に問うた場合、「なのは」と「ハルヒ」のどっちを知っているかというなれば「ハルヒ」と答えると筆者は考える。


さらに2009年、アニメ「けいおん!」が放送される。

あまりのコンテンツの加熱ぶりにTBSが激震したともされる本アニメ、主要キャストすべてが「顔出ししても十分かわいい声優」たちであった。

TBSの情報番組でも数多く特集され、「実は声優は可愛い」が認知された瞬間であった。これを期に、TBSはアニメにどっぷりハマり、その後「魔法少女まどか☆マギカ」というこれまた大ヒット作に巡りあうことになるがそれはまた別の話。


「けいおん!」の中でも飛び抜けて人気を得たのが「竹達彩奈」である。

背が低く童顔で容姿も抜群、さらに声も可愛という完璧なアイドル声優が誕生した。ちなみにこの時に「ツンデレ」という言葉が流行している。

もちろんスフィアのメンバーも人気ではあるが、一般露出を考えると竹達彩奈に軍配が上がるだろう。


この「けいおん!」による社会現象及び経済効果により、地上波のテレビ局がこぞってアニメに投資し始めることとなる。

さらに、「けいおん!」メンバーによるオープニング主題歌、エンディング主題歌歌唱により、「声優アーティスト」というジャンルが確立され始める。


アニメの経済効果で引き合いに出るのはもちろん鷲宮の「らき☆すた」ではあるが、これまた一般人に「らき☆すた」と「けいおん!」を聞くと圧倒的に「けいおん!」のほうが知名度が高い。

オタク紳士諸君は異論があると思うが、筆者の考えとして消化していただきたい。


ともあれ、「けいおん!」ブームはアニメ界のみならず、放送業界にまでも多大な影響をあたえ、現在の「深夜アニメ1クール50本超え」という恐ろしい時代の幕を開ける事となった。

さらに主題歌を声優に歌わせる「声優アーティスト」というジャンルを各レーベルがこぞって始めるきっかけにもなったのだ。


これにより「顔出し」「歌唱」が出来る「アイドル声優」が誕生することとなった。


この先、この「アイドル声優」が変革し、次のステージに向かう話になるのだが、それはまた別の機会に。



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サブカルチャーからメインカルチャーへ。 アニメ、マンガ、ゲーム、声優、オタク・・・etc 業界の片隅でものを書く著者の業界裏話から業界のこの先を綴ります。

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